自律訓練法

自律訓練法

リラクゼーションのひとつに「自律訓練法」があります。

人間の心は、不思議です。ここ一番と努力した結果を出そうとしたときに実力を発揮できなかったことがなかったでしょうか。今から約100年前にこのことに気づいた人がいました。当時ベルリン大学で精神医学を研究していたシュルツ博士です。
シュルツ博士は、何時も実力を発揮できる人の状態を調べました。長い研究の結果、そういう人たちの身体に共通の状態があることを発見しました。それは、「額が涼しい」「手足が暖かい」という状態でした。そこで博士は、自己暗示でそのような状態を作り出せないかと考え、ついにその方法を作り上げ1932年に「オートゲネートレーニング法」として発表しました。日本には、1960年頃に伝わってきて「自律訓練法」として紹介されました。

自律訓練法は、6段階からなっています。これを自律訓練法では「公式」と呼んでいます。毎日継続して自主的に練習すれば、各公式とも短時間の練習でマスターできます。なお、ふだんは、第2段階までの練習で十分で、この段階までマスターすると、「自律訓練法」で得られる効果が殆ど受けられます。 起床時や就寝時の練習は効果があり、仕事や学習、スポーツを始める前に行うと集中力が倍増します。

自律訓練法、6つの公式

背景公式 気持ちが落ち着いている

第1公式 四肢重感練習(手・足の力が抜けている)
第2公式 四肢温感練習(手・足が温かい)
第3公式 心臓調整練習(心臓が静かに規則正しく脈打っている)
第4公式 呼吸調整練習(呼吸が楽だ)
第5公式 腹部温感練習(胃のあたりが温かい)
第6公式 額部涼感練習(額が涼しい)
自律訓練法を行うことによって、ストレスが軽減され、集中力が増し、エネルギーが湧き出て来ることが多くの実例から証明されています。
自律訓練法実施にあたっての注意事項

自律訓練法は、副作用のほとんどない安全なリラクゼーションの方法です。 次の場合には、注意した方がよいとされています。それらを抜粋しますので参考にして下さい。 まず、心筋梗塞の患者、低血糖状態の人、迫害妄想のある人は、避けて下さい。 各公式毎の注意は、以下の通りです。

第2公式までは特にありません。
第3公式(心臓調整練習)
心臓に疾患のある人,心臓が気になる人はこの練習を省略します。不安や緊張を高めてしてしまうからです。
第4公式(呼吸調整練習)
気管支喘息,過換気症候群など呼吸が気になる人は省略します。不安や緊張を高めてしてしまうからです。
第5公式(腹部温感練習)
胃・十二指腸潰瘍があったり,強い痛みを伴う胃炎がある場合には省略します。病状を悪化させる恐れがあるからです。妊娠中の人は省略します(特に8ヶ月以上)。妊娠中毒症をひきおこす可能性があるためです。
第6公式(額部涼感練習)
頭痛,てんかん,その他頭部に疾患のある人は,この練習を省略します。不安や緊張を高めてしてしまうからです。

自律訓練法のポイント
第2公式まで習得できれば、自律訓練法で得られるほとんどの効果が得られる
姿勢は、1.椅子に深くかける または、仰向きに寝る 楽な姿勢で
受動的集中。「しよう」ではなく「そのうちなっていく」(自然体で
重くなろう・暖かくなろうとするのではなく、重く・暖かくなるまでまてばいい
覚醒はしっかりやる。就寝前に行う場合は、そのまま寝ればいい
「継続は力なり」は、自律訓練法でも同じ。続けることが大事
背景公式

  1.呼吸法   吸う 1 止める 1 吐く 2の割合で、特に吐くときにゆっくりと 2.イメージ法 きれいな風景を思い浮かべる、きれいな音楽を思い浮かべる、等で気分を落ち着ける  

第1公式(重感練習)両手両足の力が抜けて重たくけだるい・・・ゆったりしている

首・肩の力を抜きます。背中・胸の力も抜きます。肩→肘→指先から力が抜けていく→ 両手の力が抜けて、両手がけだるく、重たい 腰の力・おなかの力を抜きます。腰→膝→つま先から力が抜けていく→両足の力が抜けて、両足がけだるく重たい、両手両足が重たくけだるい

 

第2公式(温感練習)両手両足が温かい

両手のひらと、ももの間に気持ちを向けます。(仰臥の場合は、両手のひらをももにつける。尻の当たりに持って行ってもよい) 手のひらに、ももの暖かさを感じます。その暖かさが両腕全体に広がります。両手が温かい。 足の裏に気持ちを向けます。暖かいお湯に足をつけているイメージを持ちます。その温かさが足全体に広がってきます。両手両足が温かい

さあ皆さんも自律訓練法をマスターして楽しく健康な生活を送りましょう。

ストレスマネジメントについて

ストレスから身を守るために行う行動を総称して「ストレスマネジメント」といいます。ストレスマネジメントには、個人的なマネジメントと集団的マネジメントがあります。集団的マネジメントは、職場や学校において行われるのもでここでは割愛します。 個人的なストレスマネジメントとして代表的な方法が、リラクセーション法と呼ばれる一群の方法です。リラクセーションとは、ただゆったりとした心身の状態を指すのではありません。もしのんびり、ゆったりとした状態がリラクセーションだとすれば、寝ている状態がその最たるものなので、毎晩寝ているわれわれはそれで十分ということになるはずですが、実際にはそうではありません。 リラクセーションとは、ストレスで生じた「緊張」や「不安」を自己調節、自己制御してリラックス状態にすることです。 リラクセーションとは、少々のストレスがかかっても耐えられ、あるいはすぐに元の状態に戻ることができるような、復元力の高い柔軟な状態になることを意味しています。 リラクセーションを引き起こす方法には、次のようなものがあげられます。

① 意識を特定の方法でコントロールすることによるもの(自律訓練法、瞑想法、呼吸法)
② 身体の形のコントロールすることによるもの
(臨床動作法、ジェイコブソンの漸進的筋弛緩法、ストレッチング、ヨーガ、座禅、気功法など)
③ 末梢(五感)からのインプットによるもの
(アロマテラピー、音楽・映像鑑賞、入浴、きれいな景色を見るなど。そのほかに「バイオフィードバック法」も含まれる)

こういった特定の方法を毎日くり返し(習慣化して)行なうようにすると、次第に心身の緊張が緩んだ状態が持続できるようになり、ストレス病といわれる肩こりや頭痛が改善し、夜ぐっすり眠れるようになるなど体調が全般的によくなってきます。

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株式会社リリオールではメンタルヘルス研修として自律訓練法セミナーを実施できる講師が在籍しておりますのでお気軽にお問い合わせください

 

 

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